PDFファイルの閲覧・ダウンロード方法

 「かわら版」では、PDFファイルの閲覧・ダウンロード方法を2009年2月10日から変更しました。
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2009年9月13日日曜日

かわら版第9号(Web版)

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8月19日のことである。高尾北口ロータリー内にて、同僚の運転するバスのすれ違う際に挙手挨拶した際、Yさんの運転するバスと歩行者が接触した。幸い歩行者はすり傷程度で済んだが、Yさんが「大丈夫ですか」とたずねると「はい」とうなずきその場を立ち去ったため、Yさんは運行を継続した。
その後、バスと接触した歩行者(障害者)の通う施設から会社へクレームが入った。このクレームを受けた会社はYさんから事情を聴くとともにYさんを自宅待機の扱いとした。会社が従業員へ向け掲示した文書「挙手が原因と思われる歩行者との人身事故発生(2009年8月20付)」によれば、「・・・すれ違うバスに挙手したため視線が右に向き、前方左前の歩行者に気が付かず接触し、転倒させるという人身事故が発生した」 「運行中の挙手については重大事故を引き起こす原因のひとつとして、再三にわたり禁止を呼びかけてきた」「今後運行中の「挙手」行為を現認した場合は厳しい対応をせざるを得ない」云々。
これを受けてであろう西川・黒田執行部もまた組合員へ向け「挙手について」という文書を掲示した。これによれば「挙手が原因と思える重大事故が二件続けて高尾で発生」「・・・挙手について考えませんか?」「これ以上、犠牲者を増やさないために」「組合としましても、組合員の皆様が安心して運行できるように日々走行環境には力を入れていきます」云々。

ところでYさんはおよそ10日間の自宅待機の後、8月29日付で退職した。Yさんが同僚に「早く自宅待機が終ってバスの運転がしたい」と言っていた矢先のことであった。この間Yさんに一体何が起きたのか。

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西川・黒田執行部によれば「自分の責任、自業自得」「救いようがない、無理」といったふうにすべての原因をYさん(運転士)の責任であると捉え、事故の原因は挙手であると決め込んでいるように思える。しかしそれは大きな誤りであろう。
会社はあくまで「原因のひとつ」と言っているのであり、他にも事故の原因となる要因があることを認めているのである。組合にとって肝心なことは、これらの事故の原因となった要因を追究することではないのか? そのための賞罰委員会ではないのか? なぜ、賞罰委員会で吟味・検討すべきものをそれすらやらずに労働者を孤立させるのか。Yさんの退職は、会社の攻撃に太刀打ちしようにも労働者ひとりの力量ではいかんともしがたく、どうしようもなくなった上での苦渋の選択としての自主退職だったんじゃないのか。すなわち表向きには自主退職でも実質的には解雇ということだ。

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西川公約「私は組合員の皆様のために今後とも精一杯、待遇の改善また西東京バスへの転籍問題等の条件を少しでも組合員に有利な条件になるように努力してまいります」云々。黒田公約「私は労働組合の存在意義のもっとも大事な物!!それは雇用の確保だと思います。組合員と家族の生活を守る!事に他ならないと考えます。現在、我々は会社のチェック機能として、…雇用の確保に全力をあげて取り組んでおります―――私はこの信念をつらぬいてまいります」云々。
ということである。だがしかし、これでは現場労働者は首をかしげるばかりである。

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  • 事故が起きたら、どうのような事故であるのか、場所や時間やその時の状況といった諸事情がどうであるのか、吟味検討しなければならない。(1)高尾北口ロータリーは車道を歩行者がひっきりなしに横断している場所であること、(2)これまでも第三者との事故が頻繁に起きていること、(3)にもかかわらず過密ダイヤによる過剰なバスの往来(場所的限界)、(4)会社としての具体的な安全対策が行われているのか、「安全配慮義務」違反の問題(以下同じ)。
  • どの程度の事故であったのか吟味検討しなければならない。(1)過失の程度。
  • どのような働き方であるか吟味検討しなければならない。(1)所定時間外労働100時間を超える労働が行なわれている職場であり、Yさんに限らず長時間労働であること、(2)劣悪な労働条件による事故が起きる危険が常態化していること、(3)変形労働時間制の不適切な運用(違法)、(4)遅番から始まる追番やロングダイヤは睡眠時間が少ないため運転すること自体が危険であるが会社が改善しないこと。

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これらの要因を吟味検討することなく、事故の責任の全てを運転士の責任へと転嫁してしまうこと自体が西川・黒田はすでに会社のまやかしに取り込まれているのである。いや、まやかしに加担していると言えるのではないか。「労働組合の存在意義」は「雇用の確保」とか「組合員を守る」などと言うが、やるってことは、まずは自分なりに整理するところから出発するしかないんだ。
西川・黒田執行部は、ひと月の半分を組合活動と称し勤務からはずれていることがある。労働現場から離れて何に時間を使っているのか?労働の現場から離れているだけ何が問題であるのか、ますます見えなくなるであろう。





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8・30総選挙は、時代の大きな転換点になりました。積もりに積もった労働者の怒りと憤激で、戦後の自民党支配が劇的に吹き飛ばされ、崩壊しました。なにより、中曽根に始まり小泉で頂点に達した規制緩和、民営化という名の、首切りと福祉切り捨て、そして戦争政治の新自由主義に対する底の底からの怒りの爆発です。
しかし、事態は始まりにすぎません。誰もが感じているように、労働者の現実は民主党ではけっして変わらないからです。どこまでも労働者を踏みつけにして肥え太ってきた、資本家階級の支配そのものを終わらせなければ決着しないからです。

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連合・私鉄総連の幹部たちが「民主党の与党」として労働者を支配する側にまわりました。民主党と連合の「政策協定」には「公務員改革を断行する」と明記され、公務員をはじめ首切り・賃下げ・非正規化を行うとしています。
官房長官にパナソニック出身の電機連合幹部平野博文が座わり、次期連合会長に着くのが同じくパナソニック出身の古賀伸明。いずれも労働貴族として松下資本とべったり癒着してきた連中です。彼らは今まで以上に資本の言いなりになって、労働者の首を切るために働くのです。民主党の正体が明らかになるのはこれからです。鳩山はさっそく「日米同盟は基軸」と言い放ちました。道州制・民営化も、橋下大阪知事と結託して強行しようとしています。
労働者の怒りがさらに大きく爆発するのもこれからです。いまこそ極限まで追い込まれた職場の怒り、青年の怒りで、民主党-連合の結託体制をぶっ飛ばそう。

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しかし、これは労働者にとって史上最大のチャンスです。なぜなら、自民党の崩壊は世界大恐慌という資本主義の終わりのあらわれだからです。「底をついた」とか「回復のきざし」とはうらはらに、失業がとめどなく拡大しています。大恐慌の本番はこれからです。全世界で労働者が起ち上がっています。その一端が日本でも今回の「1票革命」になって爆発したのです。
大恐慌は一層深まり、社会の全矛盾が全面的に爆発して、資本家と労働者階級の対立はどんどん激化します。彼らは労働者と農民への極限的な搾取・抑圧と、戦争によって生き延びようとするでしょう。労働者階級自身が起ち上がって、資本家どもの支配を打ち砕かなくては、私たちの生きる道はありません。

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今回自民党は、労働者と労働組合への恐怖と憎悪をむきだしにして、『労働組合が日本を侵略する日』などというおぞましいリーフレットをばらまきました。自分たちがやってきた新自由主義がどれほど労働者・民衆を怒らせているかに戦慄し、労働者が団結して、自分たちに立ち向かってくることを心底恐怖しているわけです。
そうです!いま労働組合が問題になっているのです。
ところが民主党も、それを支える連合も、日本共産党も社民党も全部、労働者の怒りと決起におびえて、それを押さえ込む側に回りました。共産党は恥知らずにも「オバマ賛美」一色です。こんな連中に未来はありません! 資本の手先に転落した一切の労働幹部を現場から打倒して、今こそ闘う労働組合と労働運動を甦らせよう。
動労千葉は、日本の新自由主義攻撃のさきがけである国鉄分割・民営化攻撃に対して、唯一2波のストライキで対決し、国鉄1047名解雇撤回闘争を切り開きました。そして、今も団結を固め反合運転保安闘争の先頭で闘っています。
今の社会を変革する力は、闘う労働者の団結とその拡大の中にあります! 世界の労働者とともに11・1全国労働者総決起集会にあつまろう!

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2009年9月12日土曜日

かわら版第9号 8月19日の事故は挙手が「原因」か?

事故の責任を全て労働者に転嫁されてはたまらない!
会社のまやかしに加担している西川・黒田執行部


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