PDFファイルの閲覧・ダウンロード方法

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2010年1月28日木曜日

かわら版第13号(Web版)

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2010年1月5日、京王グループ西東京バス・多摩バスでは路面凍結によるスリップ事故が多発した。前日(1月4日)の天気予報では夜間降雪の予報が出ていたが、降雪にはいたらず雨となり、この雨が凍結し、道路が滑りやすくなったことによるものである。
会社が掲示した「事故警報」によれば、西東京バス楢原営業所で有責事故3件、同五日市営業所で有責事故1件、同恩方営業所で有責事故2件、人身事故1件と事故が多発した。会社は言う。「これは、「輸送の安全の確保」を使命とする運送事業者として、恥ずべき結果である」「プロドライバーであることを肝に銘じ、今後、本日同様の路面凍結や積雪等異常気象時は、予測運転・車間距離の確保および必要に応じた徐行運転を再徹底すること」と。
この運輸部発の「事故警報」を読む限り、まるで1月5日の事故多発の責任はすべて運転士にあると言わんばかりである。

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しかしながら、そもそも、前日(1月4日)昼には降雪予報が出ていて、道路凍結の危険を予測できたにも関わらず、なんら具体的安全対策をしなかったのは会社である。仮に対応しようと思ったところで、現状、会社は予備要員を置いておらず、前もって路線状況の把握や、路面凍結のおそれがある危険箇所への塩カリ撒きなど、対応できなかったのではなかろうか。
安全対策すらせず、事故が起きたら「プロドライバーであることを肝に銘じ」ろ!とだけ言ってみたところで、無意味である。実際問題、学歴不問・バス運転未経験者の、成り立てホヤホヤのバス運転士だらけの職場であり、しかもバスの事故は年間およそ300件にものぼっているのだ。今回のように、路面が凍結した悪路でも運行させているのはまぎれもなく会社であって、結果(事故)に対する原因は会社にあるのである。
ついでに言うとすれば、ご都合主義で「プロドライバー」とか言ってみても、内実、給与明細(時給制であり手取り14万の時も・・・)をみてヒヤリ・ハットするほど安価な賃金労働者集団ではないか・・・
また、豊富な経験から危険を予測し回避するための対応策をとるべき立場にあり、安全運行を統括している運輸部長寺尾一彦は、一体何をしたのか? 積雪等異常気象時にも関わらず、なんら具体的対応をしなかったのである。口先では「『輸送の安全の確保』を使命とする運輸事業者として」等々言うものの、蓋をあければこのザマなのである。安全問題にまじめに取り組み、予備要員を確保していれば、防げた事故であったと言えなくもない。

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昨年12月28日の夜、運転士と多摩バス労働組合執行部役員が食堂で除雪車と普通列車が正面衝突したニュースを見ながらこんな話をしていた。「雪の多い地域はこの時期、列車を走らせなければいいよな」と。
事故の原因は普通列車が入線する線路に除雪車が進入した事によるそうだが、除雪車を運転していた運転士は、駅員に指示されてその線路に入線したと証言している。つまりは仕事上の指揮命令の伝達が上手くいっていないという事である。なるほど列車の現場では最近、保線に携わる労働者が委託会社によって行われているという実情がある。言ってみれば合理化の名のもと保線に携わる労働者の人件費を安く済ませることが狙いである。
しかし、そうなると連携しなければならないはずの労働者同士で別会社となるため、仕事の指示の連携が上手くいかず、人身事故の原因にもなっている。多摩バスとよく似ているが、この様な実情を鑑みれば、執行部の「走らせなければいい」といった単純な問題ではない・・・それどころか、「不採算部門のコスト削減」という名で雇用も労働条件もすべて破壊され、安全の崩壊に向かって転げ落ちているのだ。

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西川・黒田は委員会として路線委員会、高速委員会という小委員会を発足させた。委員会の趣旨は現場で起こる様々な問題をスピーディーに解決するために、小委員会のメンバーが現場で情報収集し、解決策を出そうということのようである。しかしながら、本来ならば執行委員会として取り組むべき課題であるにもかかわらず、責任逃れをするために設置したのではないかと思えてならない。すなわち、組合員を委員会に入れ、職場の不満が発生しても、「委員会の委員となった組合員が一生懸命やってくれているから仕方がない・・・」という方向へガス抜き目的に使っているだけではないのか。
ところでこの委員会設置は誰が要求したのか、会社の要請で設置したのか、分からない。いずれにせよまともに機能しないというのがこれまで見てきた委員会である。前回の路線委員会は年間3回やったかどうかと言うシロモノであり、肝心の何をやったかについては不透明であり不明である。以前、ダイヤ委員というのも設置し組合員が委員となったところ、ダイヤ「改正」毎に運転士にとって一向に良くなるどころか、様々な問題が発生するばかりである。

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  • ダイヤ「改正」で早朝増えるの? 営業時間を延長したら、ますます不規則になる?手当てを請求できないのか?
  • 組合に路線を変更するのはやめろって言ったのに、抵抗しないのか!また安くなっちゃう。うちの組合は会社の代理人だろ。バス停増やすと大変なのは運転手だけ。
  • 水無瀬橋と横川の間の新バス停(案)は渋滞迷惑になるよね?反対できないですかね?何で知らないうちに決まってるのか?です。客はイライラするよね。客の為と思っているのか?新しい施設とかが出来て利用が増とかならともかくです。渋滞対策で駅での折待余裕必要ですね。
  • 会社は人ばかり入れて金あるんだったらうちらの単価上げてもらいたい!増務も減り生活問題だ。
  • 1月5日の事故は会社がなにもしないからだろ。前は塩カリ撒いたり、チェーン巻いたりしてたのに・・・
  • 組合活動費600円?それって休日に組合活動した場合だけの話で、普段は100%でもらってます。しかも彼らは保険料やら税金安くなってます・・・
  • 執行部は大会で決まったことをなぜ守らないのか。2008年の活動費も詳細は出さないつもり?
  • 深夜急行乗らないから赤字じゃないのかな。路線の売上を食ってる。社長は儲かると言ったのにおかしな会社だ。俺たちに還元しろ。
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「夜行バス車内仮眠時間を「非労働時間化」」の問題について。会社は、「夜行バス車内仮眠時間」をこれまで「労働時間としてカウントしている」と言い、今度は(「夜行高速バス乗務時の車中仮眠時間取扱い変更について(非労働時間化・手当化)」12月11日付文書)「手当て」は払うと言っている。そこで疑問に思うのは、「折返し運行待ち時間(○休や□休)」のことも、会社は「非労働時間」と呼んでいることである。すなわち、路線バスの「折返し運行待ち時間(○休や□休)」はもともと賃金対象の労働時間ではないのか、ということである。夜行高速バスの「非労働時間」のみ賃金対象時間で、路線バスの「非労働時間」が賃金対象時間外の扱いではへんであろう。


●ビル管理会社の従業員が従事する泊り勤務の間に設定されている仮眠時間が労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例
大星ビル管理事件(最高裁第一小法廷判決平成14.2.28労判822号5頁)

「不活動仮眠時間において,労働者が実作業に従事していないというだけでは,使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず,当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて,労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。したがって,不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。」

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かわら版第13号 1月5日早朝 スリップ事故多発!

1月5日早朝 スリップ事故多発!
責任は、路面凍結が予想できたにもかかわらず
なんら安全対策をとらなかった会社にある!





かわら版第13号ダウンロード

2010年1月5日火曜日

かわら版第12号(Web版)

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2009年12月、京王=多摩バスは、バス運転士の日々の働き方の基本となる「勤務交番表」を改正し、「折返し運行待ち時間」を短縮した。会社は、運転士の賃金対象の労働時間となる「折返し運行待ち時間」を取り除くことで、合理化を図ったのである。
その結果、何が起きたかといえば、バス運転士はトイレやタバコ1本喫うのもままならないといったことは安易に想像がつく。しかしそれだけではない。利用客にどのような影響が出ているのか? すなわち、少しでも渋滞していたり、多客であったり、車イス乗車や運賃機の不具合といった車輌トラブルがあれば、次発の発車時間に間に合わないケースが以前よりも頻度を増しているではないか。これは利用者の利便性を著しく害しているのではないか。

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これまで、会社は決して十全とはいえないまでも、「出庫立会い」と言う形で、何らかの運行トラブルが生じた際、これに対応するための予備の乗務員を確保していた。しかし京王=多摩バスはこれすらもやめた。故障や事故あるいは多客のための臨時便運行の対応ができない状況となったのである。
運行管理者Aは言う。「こんな勤務交番表じゃ~、人がいなくて何かあっても対応できませんよ」「所長には予備の乗務員を確保してほしいと何度も言ってるんですけど・・・」と。
現在、京王=多摩バスでは、定期便のバスからあふれて乗れなかった利用客を冬空のもと1時間待たせて、予備の乗務員がいないため臨時便を出さないということが事実起きているのである。これではバスが運行中に故障やトラブルがあったら運行ストップ、欠車である。
会社には安全にバスを運行させるという義務があり、そのために努力すべき義務がある。がしかし、この当然の事柄が京王=西東京バス=多摩バスではなされていない。トイレに行く余裕もないダイヤを作り、その結果運転士はトイレを我慢し冷汗をかきながら運行している。これはサービス向上とか接遇向上以前の問題である。

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会社が進めている「安全基本方針」の実態とはこのようなものであり、運輸安全マネジメントとか言いつつ、その一環として取り組んでいるデジタルタコメーターやドライブレコーダーなども、もはやそれ以前のところに問題があると言わざるを得ない。
京王=多摩バスで生じている事故はバス運行中に乗降扉が外れ落ちたり、乗降扉の故障で乗客が挟まれ怪我をしたなどといった事故が少なくない。加えて、運行中バスが故障した際、人員不足により予備車を現地へ持っていくことすらできず対応に苦慮するといったケースはしばしばである。これらに対する苦情等は、果たして誰の責任なのか。その責任を取ったのか。所長は? 社長の丸山荘は? これらの問題について西川・黒田は指摘したのか?指摘していないとすれば、彼らもまた同じ穴のムジナであろう。

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京王=西東京バス=多摩バスは、2009年10月から12月、西東京バス楢原営業所において、西東京バス運転士および多摩バス運転士を20名ほどのグループにわけて社員研修・社長懇談会を行った。この研修を担った本社サービス担当は、サービス向上の取り組みとして、江戸商人の話を交えながら「どんなお客様にも差別なく、丁寧な対応を心掛けましょう」といった内容の話をした。多摩バスのように低賃金で極限的に労働強化された労働環境のもと「バス利用者に差別なく丁寧な対応」をする余裕はあるのだろうか。疑問である。
会社の事故処理の仕方に関して言えば、明確な基準もなく、好き嫌いで差別的に判断し、適正な手続きすら無視し、運転士を処分している。処分を決定する賞罰委員会は、当該運転士の参加はおろか当該の弁明すら反映させない。いや弁明の機会すら与えない。

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さらに差別的なやり口と言えばこんなこともある。路線ダイヤに組み込まれている羽田線の担当運転士の選抜方法などは、明確な基準も提示せず、恣意的・差別的に選抜している。夜行バスも同様である。
公出に関しても恩方営業所に公出希望者がいるにも関わらず、青梅営業所からの応援などといって呼び出している。実のところ青梅は「空きダイヤ」の部分に割り当てる仕業がないために恩方に飛ばしているだけではないのか。
このように京王=西東京バス=多摩バスの働き方・働かされ方は、基準そして取り決め方が不明瞭のため、仕事の割り当て方も極めて恣意的におこなわれているのである。
このような実態でありながら、会社は「どんなお客様にも差別なく、丁寧な対応を心掛けましょう」などと言う。これは運転士へ指導するというよりも、むしろ会社自身に求められるべきであり、会社自らが努力すべき事柄であろうと思うのだが。いかがか。

 

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  • 高速道路80キロ厳守の件は会社側からの通達なのか?勝手に組合が騒いでいるだけ?規制以外では100キロでいいのでは?羽田、成田が80なら夜行も同じじゃないといけないよね?夜行80じゃ予定に着かない。
    時分を削られるとか言ってるけど働く側の思いや意見を本来組合は訴えなければいけないんじゃないの?
  • 査定にしたってそうだ!なんで無遅刻無欠勤無事故の真面目でけなげな運転士がD査定なんだよ。組合は、「それは仕方がない!誰かがC査定なら誰かがD査定になる!」だってさ!結局、おれら運転士はけ落とし逢わなければいけないのか!
  • 何故、全員が100点満点で全員がA査定ではないのか?それは運転士の闘争心を利用して限られたお金を運転士同士で奪い合っているにすぎない!「点数がもらえるから公出する!」とか「正月に公出すれば5点貰える!」そんなことをしても相対評価がある限り無意味であり騙されてるだけにすぎない!組合は本当に運転士の事を考えているのなら現ダマを要求し現金にて我々に支給させるべきだ!点数をやるから正月に出てくれなんていうのは馬鹿げてる!

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12月11日、運輸部長寺尾一彦は、多摩バス労働組合に対し「夜行バス乗務時の車中仮眠時間取扱い変更について」なる文面で賃金対象の労働時間である夜行バス車内仮眠時間を「非労働時間化」すると提案をしてきた。内容は、「仮眠時間は実際には労働していないものの労働時間としてカウントしている」ことが「長時間労働の原因となっている」、「このような長時間労働は昨今、行政・立法面から問題視されている」云々。ここに書かれているのはむちゃくちゃな論理と言うほかはない。とどのつまりが、一つには労働災害の適用から遁れるための非労働時間化である。二つ目は、会社が望んだ労働ではない部分を、すなわち会社にとってロスとなる部分を「非労働時間」として、このロスを労働者に転嫁させるのが狙いである。
ところで、勤務開始時間から勤務終了時間の中には「労働時間」と「休憩時間」のいずれかしかないのである。どういうことかといえば、「労働時間」でないものは「休憩時間」であるし、「休憩時間」じゃなければ「労働時間」ということなのである。もちろん問題となっている夜行バスのケースは「仮眠時間」も「賃金対象の労働時間」の扱いとするのが妥当である。しかしがら京王=多摩バスは、「非労働時間」という独特の用語を持ち込み、すなわち「労働時間」でもなく「休憩時間」でもない曖昧な表現を用いる。ここがミソである。じゃ~、この「非労働時間」とやらは「休憩時間」にあたるのか、その議論を避けるためであろうか、自ら「手当て」として払うというのである。結局、言いだしっぺがこの特有な屁理屈を押し切ることも出来ず、「賃下げが狙いです」と言っているようなものでしかない。

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「スピードをモットウ」に組合活動をしているという西川・黒田執行部は、組合掲示板へ「法定速度厳守」とか「ゆっくり走ること」を促す文書を掲示している。ゆっくり走れば「折返し運行待ち時間」や「起点終点の所要時分」を会社が改善してくれるだろうとの短絡的願望を抱いてのことのようである。
いま生じている事柄の問題はそんなところにはないであろう。組合員の労働条件である労働時間の構成がどうなっているのか。まずは取り組むべき事は、12.11付、寺尾一彦提案書に対する西川・黒田なりの見解を全組合員に明らかに示すことである。

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