PDFファイルの閲覧・ダウンロード方法

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2010年3月23日火曜日

かわら版第15号(Web版)

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この間、会社は、バス運転士の労働条件であるバスの運行スケジュール(ダイヤ)の編成に際して、八王子駅向けの経路を高尾駅向けの経路に変更したり(陣馬高原下、美山町、小津町等)、起点から終点の所要時間(分)を変更したり、折返し運行待ち時間の短縮をおこなってきた。
2010年4月のダイヤ改「正」では、既存バス路線のルート変更やバス停増設などして、さらなる見直しをおこなった。言ってみれば、運転士にとってはますます忙しく厄介なダイヤとして変貌したのである。
現場運転士のあいだでは「ダイヤ改「正」は何のためにやっているの?」「ダイヤ改「正」のたびに俺たち運行しずらくなってなぁーい?」と多々疑問の声があがっている。
さらに、度重なる年間2回のダイヤ改「正」が直接の原因かどうかはともかくとして、運転士の職位が上がればわずかであれ増えるはずの賃金の手取りが増えていないのはなぜなのか・・・(ごく一部の運転士をのぞいて(!!))

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参考までに、多摩バス運転士Tさん〔家族4人(子供2人)〕
の場合、月あたりの生活費は次のような感じである。

  • 家のローン65000円image
  • 車のローン16000円
  • パソコンのローン12000円
  • 生命保険、夫7000円、妻5000円
  • ガソリン代、灯油代28000円
  • 電気代7600円
  • 水道代13000円(2ヶ月分)
  • ガス代15000円
  • 携帯電話代(2台)15000円
  • 自宅電話代、インターネット代8000円
  • 小学校給食費(2人)8000円
  • 子供の習い事代(2人)14000円
  • NHK料金4580円(2ヶ月分)
  • 食費30000円
  • 雑費(衣服等)20000円

これらを合計すると26万8180円となり、水道代とNHK代を1ヵ月分で計算し、8790円を差引いても、月あたりの必要生活費は25万9390円である。ここには夫や妻の小遣いなどは含まれていない。いま、多摩バス労働者の賃金だけではとてもじゃないけれど生活して行けないという状況にある。
「会社あっての労働組合」論にしがみついている西川・黒田執行部は2010年3月10日、今春闘要求と思われる多摩バス労働組合としての要求書を会社に提出した。
要求項目は、image

  1. 一時金を支給すること。
  2. 交通費を支給すること。
  3. 生活奨励金の支給基準の緩和とポイントアップをすること。
  4. スポーツ施設その他の福利厚生制度の充実をすること。
  5. 車両乗り終り時間現行5分を10分に変更すること。

である。

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この要求項目の中には、昨年行われた組合大会の席上西川・黒田執行部が約束した「ベースアップ(賃上げ)」の要求が含まれていない。なぜか? 西川・黒田執行部は、「会社の経営状況が悪い」「この世の中、賃上げ要求する時代ではない」「西バス労組がやらないからやらない」「会社あっての労働組合(労働者)」「雇用の確保優先」などと言っては組合員を誤魔化している。加えて、会社の総人件費削減のためのキャンペーンと同調・一体化し、増務(基準外労働)を抑制させるために「増務をしないでも生活できるように生活を切り詰めろ」「生活水準を下げろ」などと言っては組合員を恫喝している。
すでに前号<かわら版>でも訴えているが、長時間労働の問題は、主要には、多摩バス運転士(および新採用の西東京バス運転士)の時間単価が低いことが問題であり、だからこそ、生活に必要な生活費を得るために長時間労働をせざるを得ない実情にあえいでいるのである。誰一人として好きこのんで長時間労働するものはいないのである。しかも、本来、賃金対象の労働時間さえも「非労働時間」として除外されていることが問題なのである。
この点について、組合大会では、組合員の切実な思いが語られ、これを受けて、具体的なベースアップ要求をしていくことになっていたはずである。
にもかかわらず、一部の執行委員ないし一部の代議員が組合の運営において、他の代議員や組合員の意見を無視して独断専制に行うということは、組合民主主義の原則にも反している。異様な光景である。

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西川・黒田の「雇用の確保」という表現はそもそも労働者側が使う言葉なのか疑問である。2010年経労委報告において経営側は「雇用の確保・安定・創出」とか「民間企業は従業員が活動を支えている」とか「「ヒト」を大切にする日本的経営に磨きをかけ、労使相互の信頼関係のもとで健全な労使関係の深化を図っていくことが肝要」などと報告している。
しかしながら、今春闘では「雇用確保」「総人件費管理」徹底の方便でベアゼロはおろか「定期昇給凍結」の構えである。また、「最低賃金の見直し」においても「生産性を引き上げない限りやるべきでない」などと言っている。
これはどういうことかというと、「雇用確保」というともっともらしく聞こえなくもないが、この言葉の裏には「仕事を与えるだけマシであり、クビにしないだけありがたく思え(!)」「だから合理化をのんで安い賃金でガマンしろ(!)」といったなんともエゲツない合理化攻撃があり、「雇用確保」という表現の真の狙いは安価な労働者をつくり出すことにあるのである。
西川・黒田がカシコぶって「雇用の確保」と叫ぶのは無知なるがゆえのなせる業と言えなくもない。
ところで人が人に抱くイメージというのは様々であるが、具体的な社会問題に取り組む時には「あいつは無能だ」とか「あいつは優秀だ」とレッテル張りしてみたところで無意味である。仮に組合幹部であれば「スゴイ人」とか「優れた人」といった勝手なイメージを抱きがちである。いや、私たちは実際に抱き、そう思ってきた。しかしこれは大きな誤算であった。
肝心なのは西川や黒田は多摩バスで働く労働者に具体的に何をしたか、である。何をしたかという事実を離れてイメージから眺めてみても意味のないことであり、イメージから「無能だ」「優秀だ」といったレッテル張りも意味のないことなのである。

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京王グループ西東京バスでは非人間的に差別・階層化された非正規労働者は増加の一途を辿っている。会社は「雇用確保」「企業内労使協調」「生産性向上」という名のもとに労働強化と労働条件の全面的改悪、合理化を行い、これまでもダイヤ改「正」では過密ダイヤによる労働強化を行ってきた。早朝・深夜バス運行の時間帯を早めたり延ばしたりと営業時間を延長し、月当たりの基準外労働は過労死認定基準である100時間をはるかに上まわる150時間をも超えている。
このような無限定・無規則な働き方・働かされ方を産み出したばかりでなく、過密になるということは所要時間を短縮し運行を行うことであり、運転士はトイレも行けず冷や汗をかきながら連続運行しなければならないといった状況にもなっている。
会社は「コスト削減」「無駄をなくす」と言いながら、実際問題そこでやっていることは、同じ時間の幅で今まで以上にコキ使っているのであり、実質的には賃下げしているのと等しいのである。

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一方、人の輸送という人命に関わる問題である安全面に関係する「コスト」すら会社は利益追求という至上命題のもと「コストダウン」を行っている。現に今年1月5日早朝、路面凍結による事故多発は象徴的である。積雪等異常気象時であったにも関わらず、エンカリ撒きや路線状況の把握など一切行わなかった。つまりは過剰な「コストダウン(人減らし)」により予備要員を廃止し、身動きが取れなかった。しかも断じて許せないのはこの多発事故につき、会社は自らの安全管理の杜撰さを深く反省するどころか「プロドライバーであることを肝に銘じ」ろ! などと運転士を恫喝していることである。さらに言えば、会社は事故を評価制度に組み入れ、「マイナス評価」することで減給するなどして、事故を運転士個人の責任にすり替え、安価な労働力を作るための技巧として評価制度を悪用している。
さぁ、考えよう。
会社は、僕たち私たちをどうしたいのか。
組合幹部たちは、僕たち私たちをどうしたいのか。
僕たち私たちは、どこへ向かおうとしているのかを――。




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  • 労働強化もここまでくると悲惨で組合の存在が疑われます。それでいて西バス労組と多摩バス労組合併と来たら手の平の中コロンコロン・・・。
  • この間無記名労組合併賛否用紙、もうトックに集計出たはずなのに組合掲示板に結果が出てません。否の方が多かったのかな? 賛の方なら何時から! 疑問です。
  • バス停の数を増やすと言うことはそれだけ又責任と仕事が増えて辛い思いするのは運転手だけ!置いていけば減点! 遅れてけばマイクで案内! 新設案内! 二つ以上の系統が走るとこなら、誤乗車しないよう案内!車内外事故で事情聴取! バス停増運転手に責任重大、恩方の諏訪神社と日吉町一丁目会館北だって日が経てば適当に乗降は見込める? けれど一人ぼっちの乗降が当たり前のとこばかり・・・。多摩バス仕業恐るべし体壊しました。
  • 先日のチームミーティングで吉田所長は「こういった場では批判的な言動は場の雰囲気を悪くするだけだから止めて欲しい」と。これでは何の為の場だか分からない。また、「制服着用の乱れが目立つが、規律の乱れにも繋がるので厳しく対応する」と。何が規律だ! 規律が乱れる様な劣悪な環境に運転士を置いているのは会社ではないか!
  • 廿里上のバス停は渋滞した場合、後続のバスは坂道発進でリスクは上がると思う。またダイヤ改正で折り待ち時間削られれば運転手のイライラは増えるし接遇向上など出来るわけないですよね。

2010年3月20日土曜日

かわら版第15号 ダイヤ改「正」のたびにダイヤは過密化-なのに賃金は?

ダイヤ改「正」のたびにダイヤは過密化-なのに賃金は?
組合員の切実なベースアップ要求を無視・抹殺し、
「生活水準を下げろ」と恫喝する西川・黒田執行部




かわら版第15号ダウンロード

2010年3月7日日曜日

かわら版第14号(Web版)

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京王=西東京バス=多摩バスでは、正社員という名のもと採用されたバス運転士は気が遠くなるほど会社に拘束され、しかも「(低)時給制」の処遇で、言ってみればパート労働であり、無規則かつ超人的な基準外労働を強制されている。会社が掲示した2008年度過重労働実績によれば、一ヶ月あたりの基準外労働時間80時間を超える労働者が毎月平均50名、100時間超過は毎月平均10名、150時間超過が数名いる(「バス運転士の過重労働について」2010年2月9日付)。
このような異常と言える労働環境のなかで、本来ならば安全輸送を使命とすべき公共交通機関であるはずの路線バスおよび高速バスの運行は行われているのである。ろくに睡眠もとれずヘトヘトになるまで働くことが事故の原因となっていることも否定できず、結果からみても事故が多発しているのが実態となっている(重大事故・人身事故含め年間300件に及ぶ)。
会社は従業員に向け「「輸送の安全の確保」を使命とする運輸事業者として」とか「沿線の多数住民の生命と身体の安全確保」とか「危険性を予測判断し回避するのは当たり前」等々と言いながら、運転手をこのような環境のもと働かせているのである。果たしてこの現実をバス利用者あるいは株主は知っているのであろうか?

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京王グループ傘下企業である多摩バスの過重労働は安全輸送しているとは言い難く、むしろを「危険」といえるバス運行を行っている。なぜか。
ひとつには、これら安全輸送に支障を与えている労働環境に無抵抗な労働組合が存在することである。
そもそも「時間外・休日労働に関する協定届(36協定)」で認められるいわゆる「増務」による勤務の延長は、臨時・緊急時のみなのであって、通常は恒常的に行われている労働とは区別されなければならない。しかしながら、京王=多摩バスでは日々行なわれている恒常的労働、すなわち所定労働(多摩バスは一日の所定労働時間を定めていない)の内にあらかじめ「増務」労働を突っ込んでいるのである。別な言い方をすれば「時間外・休日労働に関する協定届」(36協定)の記載では、あたかも「臨時・緊急時」の場合のみ「増務」を行うようにしつつ、実際は「所定労働」と称して行なっているのである。
このようなやり口は制度の趣旨に反しているばかりか違法であろう。だからこそ基準外労働「150時間超過(待機時間等グレーゾーンを含めて算出したら、さらに超過している)」という危険と言える過重労働によるバス運行が繰り返されているのである。

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image もう一つは、評価制度の運用と適用の問題が挙げられる。京王=多摩バスの評価制度は、「増務」や「休日出勤」による基準外労働を加点(一方では減点)評価することにより基準外労働を行うことを助長しているのである。すなわち、基準外労働「150時間超過」を潜脱的に行うための技巧としての機能を果たしているのが評価制度なのである。評価査定により昇給・昇格=(指導員やリーダー)をちらつかせて、違法的な基準外労働の問題が表に出ない仕組みを意図的につくっているのである。評価制度というのは、会社が潜脱行為を行うための実によくできた制度(シカケ)なのである。

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西川・黒田は組合員に対し「増務をせずに生活を切り詰めろ」などと組合員をなだめすかしているようである。当然のことではあるけれど組合員は増務それじたい希望しているわけではない。これほどまでに働いているのは賃金が安く生活が苦しいから命を削って「増務」「公出」しなければならないのである。
だがしかし、委員長の西川はこれまで「危険」としか言いようのない「150時間」の基準外労働を可能とする協定を独断で会社と締結し、組合員にとって「危険」である水準の基準外労働を行うことを認めてきた張本人である。それが今度は何の反省もなしに「増務」はやめろ「生活水準を下げろ」などと言いまくっている。
実は、会社の狙いは総人件費の抑制にあることは明らかであり、所定内労働の労働強化である。これにまったく抗おうとせず、会社の言いなりとなって今以上の賃下げを鵜呑みしてどこへ向かおうとしているのだろうか? しかも本来取り組むべき課題となるはずの待機時間等の「グレーゾーン」(“時間ドロボー”)の問題にはまったく関心を寄せず、ただただ、会社の言いなりとなっているではないか。最低限の基準である労基法すら守らせるために会社に抵抗しない組合執行部は無用である。西川・黒田は大会で決定したことを守らないのか。賃上げ要求はしないのか。組合員の切実な要求ではないか。

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旧多摩バス労組執行部は言う。「うちの会社もアルバイト認めてくれればいいんだよな」と。
これは会社の給料だけでは食っていけないからの発言だろうが、自分で執行部に居た時には具体的に賃上げの活動をしたのだろうか?
さらに1月27日の職場集会に出席して言う。
「西東京バス楢原営業所では既存の運転士は点呼の時、帽子を被らないが新西の運転士は被らないといけない。整合性と言うのなら多摩も帽子被らないで点呼受けりゃいいんだよ。あれがだめとか言ってないで行動しなきゃ変わらないんだよ」「西東京労組は上部団体が連合だが、実際は組合費が高くなるだけで何の役にも立たない。西東京バス労組と一緒になるくらいなら組合なんて幾つあってもいいんだから、多摩バス労組は残して置いて独自の要求を出した方がいいんじゃないか」と。
ま、そりゃそうなのだが、自ら組合執行部をやっていた時はどうだったのか?「夏シャツ何枚取った!」‥‥とはいうものの具体的な労働条件の向上のためにどれだけ行動したのだ? 自ら原則的に取り組むという姿勢とはほど遠い一部の旧組合執行部という印象があるだけに発言内容に関する真意は不明である‥‥。

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組合員に配られたアンケートに疑義あり。通常、アンケートには使用目的があって、これを踏まえ応答するのが常である。そうでなければ何のために応えるのかが不明となり、応答する側は困惑するばかりである。
このアンケートは「賛成」「反対」といったの択一の形式をとっているが、組合員にとってもっとも肝心な事柄は、具体的な事実や材料である。それなしに「賛成」「反対」をやってのけようとすれば、この先、混乱を招くこと自明であろう。統合問題に関して言えば、双方課題の一致が必要であり、まずはこれを明らかにすることである。600円問題での活動報告詳細の提示についても、西川・黒田執行部は旧執行部からは詳細を提出させ、再三批判非難を繰り返しておきながら、「俺たちは出さないよ~」では、いかにも小ズルイであろう。加えて、西川・黒田は、明朗な活動報告、明朗な会計報告という公約をしているのであるからなおのことである。
再度言う。具体的、事実や材料のないところでの賛否などはキャッチセールスに等しくアンフェアーであり、無意味である。

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「国鉄1047名解雇撤回! 検修業務の全面外注化阻止! 反合理化・運転保安確立!」を掲げて全国労働者総決起集会が2月13日、東京・代々木公園で開催された。全国各地から1850人の労働者・学生が結集し、朝から雨と雪がちらつく悪天候をはね飛ばし、熱気あふれる集会とデモを貫徹した。国鉄決戦を軸に、大恐慌に立ち向かう階級的労働運動の力強い隊列が登場したのだ。(次号続報) 集会の呼びかけは、動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎、動労西日本、動労千葉を支援する会の5団体。司会は、動労連帯高崎の和田山繁委員長と動労千葉を支援する会の労働者が務めた。
基調報告を行った動労千葉の田中康宏委員長はまず「動労千葉は2・1~2ストライキで第2次分割・民営化阻止闘争を宣言した。JR当局はスト後、多数の職制を幕張車両センターに張り付け戒厳状態に置いている。職場に満ち満ちている怒りと動労千葉の闘いが結合することを恐れ、それを必死で阻止する体制をとっている。もう一歩で壁は破れるということだ」と第1波ストが切り開いた大きな地平を報告した。そして、裏切りを深める4者4団体を厳しく弾劾し「国鉄分割・民営化攻撃になすすべもなく屈服した連中が、また同じ裏切りを繰り返そうとしている。今こそ、国鉄分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回の旗を高々と掲げて闘う時なのだ」と訴えた。


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