2009年6月7日、急遽行われた代議員大会の席上、余剰金の分配についてこんな発言があった。「俺たちは組合余剰金の今後の使途についての要求書なんか出してない」「おかしいじゃないか、そもそも組合費がいくらあるとか、余剰金がいくらだとか、知っているのは執行部くらいではないか、俺たちは知らないんだよ。どうして代議員からこんな要求が出るのか?」と。議案書には余剰金の詳細について組合員・代議員に説明がなかったばかりか、2009年度の一般会計予算の余剰金とは具体的にはどの部分の余剰部分にあたるのか、いまだにその一切が示されていない。
しかしながら、西川・黒田執行部は、参加した代議員に向け具体的資料を示し説明することなく、出席した33人の代議員に採決を強行し、一般会計の9割にあたる1400万円を分配すると言う。しかも、参加していない多くの組合員にはお構いなしに、である。今回、恩方市民センターの一室を使用し、施設利用時間を限定し、あえて15時から17時までの2時間という時間制限を設けたのも意図してのことなのか。いずれにしてもこのような決め方は不当と思えてならない。
2009年6月6日付の「かわら版、第6号」ですでに述べたが、「労働組合における組合費というのは、個人が郵便局や、銀行や、はたまたタンスの奥にひっそりと溜め込む貯金やヘソクリとは、まったく性格を異にする」のであり、「組合費というのは労働組合を結成し、そこに参加する労働者の思いを実現するために、一歩一歩、その方法が稚拙であろうとヘタであろうと歩みを進めるための資金であ」り、共通の目的実現のための資金である。「ここのところをよく考えないかぎり、今回の議題に関する、よりよき対応はできない。代議員諸君は組合員に対する責任をきちっと認識しつつ対応する覚悟はあるのか!!そこが大きな問題」なのである。
したがって、2009年6月7日に行われた代議員大会に参加した労働者諸君に尋ねたい、何を基準とし判断したのか、と。
西川・黒田は代議員大会の席上「組合統合に向け全力を尽くす」などとも発言したようである。これまた、オイオイ、である。「組合統合」などいったいどこから出てきたのだ!どの組合とどの組合の統合なのだ?! 執行委員会で既に議論していることなのか?! 「統合」の目的はなんだ?! 組合員にとってなぜ「統合」が必要なのか?! 組合員にとって「統合」してどういうメリットがあるのか?!「議案書」にもないこんな重大問題を軽薄に発言し、しかも何の説明もなしで「全力をつくす」とは――組合は、西川・黒田の私物ではないぞ!!
そもそも「組合統合」の主導とは一体誰なのか。多摩バス労組か?!、それとも西川・黒田か?!――違う。「組合統合」の主導は、西東京バス労組幹部ではないのか?! とすれば西東京バス労組幹部は「組合統合」することにより何を思い描いているのか?! 検討すべき具体的資料や材料もない多摩バス労働者=組合員は、「組合統合」をどのように思い描いているのか、である。両者の思いは一致しているのか、否か。この肝心なことについて、西川・黒田執行部は知っているのか、知らないのか、わからない。
西東京バス株式会社は、次々と新たな労働者を雇い入れている。同じく西東京バス労組には労働者が次々と組合員として加盟している。問題は、新たに採用されている労働者の労働条件であり、既存西バス労組組合員との階層化された差別的な労働諸条件についてである。俺たち・私たちの目の前に立ち現れた問題には、どこからやってきたのかという原因があるのであり、この原因を自覚的に考えれば、今回の「組合統合」は誰の狙いなのか、その思惑が何なのか、見えてくる。
西バス労組には、会社のやり口同様、奇妙な異なる労働条件が存在する、しかも、西バス労組や西バス労組幹部はこれを受け入れている。だから西バス労組幹部は「統合」の際、多摩バス労働者だって差別的な方へはめようとしているし、西川・黒田執行部は自らそこにはまろうとしている。俺たち、私たちにとっての切実な問題とは何か。その階層化し差別化していることが問題ではないのか。これまで労働条件その他待遇向上の目指すべき目標と言えば、西東京バス労組(既存の)の労働条件ではないのか。
だとすれば自主的・自覚的に自らの問題を取り組まずして、「うまくやろう」とか「どうにかなるさぁ~」というのは、ろくなものじゃない。またそれが一方の側の意図するところでもあるのだが―――しかも、である。「組合統合」に関し、検討すべき具体的材料や資料すらないとしたらなおのこと、いまある目的財産である資金を備えておくことは、自然なことであろう。
多摩バス労組という独立した労働組合が破壊され、消滅すれば、当然のことながら労働組合の団体交渉権・争議権を失う。誤解しないでほしい、労働組合があれば問題がなくなるなんて言おうとしているのではない。闘わない労働組合では何の役にも立たないばかりか、組合員の要求を押さえ込み会社の意向を押しつける機関になってしまう。西川・黒田執行部がいかに会社の言いなりになっているとはいえ、多摩バス労組と組合員が存在している限り、闘わない執行部を打倒して闘う労働組合を甦らせることは可能なのだ!
多摩バス労組を消滅させるということは、困窮する労働者=組合員の不満や欲求を具体的に実現するための手段なんぞは切って殺ぎ落としてやろうという悪辣なやり口そのものではないか。問題は、自らが考え、自らが行動する、すなわち差別や不利益を受けている労働者集団が、自らの問題に自ら直接的にアプローチする術を失う、ということなのである。
俺たちは・私たちは懸命に考えよう。これから多摩バス労働者の働き方・働かされ方はどう変わろうとしているのか、会社は俺たち・私たちをどんなふうに働かせたがっているのか。俺たち・私たちはどんなふうに働きたいのか。
組合統合や組合費分配を目論むろくでもない輩(労働貴族)どもよ! 労働者にとってほんのわずかであれ自己の利益を擁護する術さえ奪い、破壊し、階層化した働き方・働かされ方を会社と結託し産み出し、さらに波状的に拡大するのか。
「国鉄1047名解雇撤回!労働者派遣法撤廃!改憲阻止!麻生内閣打倒!」を掲げて全国労働者総決起集会が6月14日、代々木公園で開かれた。全国から2100人の労働者・農民・学生が集まり渋谷の街を揺るがす大デモを打ち抜いた。
動労千葉の田中康宏委員長が基調報告に立ち、「労働組合にこそ社会を動かす力がある。闘う労働組合を甦らせよう」と訴えた。
さらに「クライスラーが破綻し、GMが破綻し、資本主義体制は崩れ去ろうとしています。全世界の労働者が人間として生きられなくなっています。求められているのはこの社会の根本的変革です。労働者自身にこの社会を変える力があることを、どれだけ広く訴えて組織できるかが勝負です。
道州制攻撃の中で、国鉄方式ですべての公務員労働者をいったん解雇し、その恐怖で労働組合をがたがたにしていく攻撃が始まろうとしている。これは戦争への道です。この重大な時になぜ資本の攻撃に屈服するのか! 民営化された郵政を見て下さい。闘えば勝利できる展望が開かれています。百戦錬磨の1047名闘争団が先頭に立って全国の仲間に団結を呼びかけたら5万人、10万の団結ができる時代が来ています。1929年の大恐慌は第2次世界大戦に突入するところまで行きました。これが資本主義です。戦争を阻止できるのも、戦争への道を進めるのも労働組合です。逆に言えば労働組合には社会を動かす力があるのです。
いま全世界で、支配階級と労働者・学生・市民とが、力と力で衝突しています。これが時代の基調です。真に歴史選択が問われる時代が来ています。労働者の力を信じ労働組合を甦らせよう。」と訴えた。