PDFファイルの閲覧・ダウンロード方法

 「かわら版」では、PDFファイルの閲覧・ダウンロード方法を2009年2月10日から変更しました。
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2010年3月7日日曜日

かわら版第14号(Web版)

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京王=西東京バス=多摩バスでは、正社員という名のもと採用されたバス運転士は気が遠くなるほど会社に拘束され、しかも「(低)時給制」の処遇で、言ってみればパート労働であり、無規則かつ超人的な基準外労働を強制されている。会社が掲示した2008年度過重労働実績によれば、一ヶ月あたりの基準外労働時間80時間を超える労働者が毎月平均50名、100時間超過は毎月平均10名、150時間超過が数名いる(「バス運転士の過重労働について」2010年2月9日付)。
このような異常と言える労働環境のなかで、本来ならば安全輸送を使命とすべき公共交通機関であるはずの路線バスおよび高速バスの運行は行われているのである。ろくに睡眠もとれずヘトヘトになるまで働くことが事故の原因となっていることも否定できず、結果からみても事故が多発しているのが実態となっている(重大事故・人身事故含め年間300件に及ぶ)。
会社は従業員に向け「「輸送の安全の確保」を使命とする運輸事業者として」とか「沿線の多数住民の生命と身体の安全確保」とか「危険性を予測判断し回避するのは当たり前」等々と言いながら、運転手をこのような環境のもと働かせているのである。果たしてこの現実をバス利用者あるいは株主は知っているのであろうか?

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京王グループ傘下企業である多摩バスの過重労働は安全輸送しているとは言い難く、むしろを「危険」といえるバス運行を行っている。なぜか。
ひとつには、これら安全輸送に支障を与えている労働環境に無抵抗な労働組合が存在することである。
そもそも「時間外・休日労働に関する協定届(36協定)」で認められるいわゆる「増務」による勤務の延長は、臨時・緊急時のみなのであって、通常は恒常的に行われている労働とは区別されなければならない。しかしながら、京王=多摩バスでは日々行なわれている恒常的労働、すなわち所定労働(多摩バスは一日の所定労働時間を定めていない)の内にあらかじめ「増務」労働を突っ込んでいるのである。別な言い方をすれば「時間外・休日労働に関する協定届」(36協定)の記載では、あたかも「臨時・緊急時」の場合のみ「増務」を行うようにしつつ、実際は「所定労働」と称して行なっているのである。
このようなやり口は制度の趣旨に反しているばかりか違法であろう。だからこそ基準外労働「150時間超過(待機時間等グレーゾーンを含めて算出したら、さらに超過している)」という危険と言える過重労働によるバス運行が繰り返されているのである。

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image もう一つは、評価制度の運用と適用の問題が挙げられる。京王=多摩バスの評価制度は、「増務」や「休日出勤」による基準外労働を加点(一方では減点)評価することにより基準外労働を行うことを助長しているのである。すなわち、基準外労働「150時間超過」を潜脱的に行うための技巧としての機能を果たしているのが評価制度なのである。評価査定により昇給・昇格=(指導員やリーダー)をちらつかせて、違法的な基準外労働の問題が表に出ない仕組みを意図的につくっているのである。評価制度というのは、会社が潜脱行為を行うための実によくできた制度(シカケ)なのである。

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西川・黒田は組合員に対し「増務をせずに生活を切り詰めろ」などと組合員をなだめすかしているようである。当然のことではあるけれど組合員は増務それじたい希望しているわけではない。これほどまでに働いているのは賃金が安く生活が苦しいから命を削って「増務」「公出」しなければならないのである。
だがしかし、委員長の西川はこれまで「危険」としか言いようのない「150時間」の基準外労働を可能とする協定を独断で会社と締結し、組合員にとって「危険」である水準の基準外労働を行うことを認めてきた張本人である。それが今度は何の反省もなしに「増務」はやめろ「生活水準を下げろ」などと言いまくっている。
実は、会社の狙いは総人件費の抑制にあることは明らかであり、所定内労働の労働強化である。これにまったく抗おうとせず、会社の言いなりとなって今以上の賃下げを鵜呑みしてどこへ向かおうとしているのだろうか? しかも本来取り組むべき課題となるはずの待機時間等の「グレーゾーン」(“時間ドロボー”)の問題にはまったく関心を寄せず、ただただ、会社の言いなりとなっているではないか。最低限の基準である労基法すら守らせるために会社に抵抗しない組合執行部は無用である。西川・黒田は大会で決定したことを守らないのか。賃上げ要求はしないのか。組合員の切実な要求ではないか。

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旧多摩バス労組執行部は言う。「うちの会社もアルバイト認めてくれればいいんだよな」と。
これは会社の給料だけでは食っていけないからの発言だろうが、自分で執行部に居た時には具体的に賃上げの活動をしたのだろうか?
さらに1月27日の職場集会に出席して言う。
「西東京バス楢原営業所では既存の運転士は点呼の時、帽子を被らないが新西の運転士は被らないといけない。整合性と言うのなら多摩も帽子被らないで点呼受けりゃいいんだよ。あれがだめとか言ってないで行動しなきゃ変わらないんだよ」「西東京労組は上部団体が連合だが、実際は組合費が高くなるだけで何の役にも立たない。西東京バス労組と一緒になるくらいなら組合なんて幾つあってもいいんだから、多摩バス労組は残して置いて独自の要求を出した方がいいんじゃないか」と。
ま、そりゃそうなのだが、自ら組合執行部をやっていた時はどうだったのか?「夏シャツ何枚取った!」‥‥とはいうものの具体的な労働条件の向上のためにどれだけ行動したのだ? 自ら原則的に取り組むという姿勢とはほど遠い一部の旧組合執行部という印象があるだけに発言内容に関する真意は不明である‥‥。

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組合員に配られたアンケートに疑義あり。通常、アンケートには使用目的があって、これを踏まえ応答するのが常である。そうでなければ何のために応えるのかが不明となり、応答する側は困惑するばかりである。
このアンケートは「賛成」「反対」といったの択一の形式をとっているが、組合員にとってもっとも肝心な事柄は、具体的な事実や材料である。それなしに「賛成」「反対」をやってのけようとすれば、この先、混乱を招くこと自明であろう。統合問題に関して言えば、双方課題の一致が必要であり、まずはこれを明らかにすることである。600円問題での活動報告詳細の提示についても、西川・黒田執行部は旧執行部からは詳細を提出させ、再三批判非難を繰り返しておきながら、「俺たちは出さないよ~」では、いかにも小ズルイであろう。加えて、西川・黒田は、明朗な活動報告、明朗な会計報告という公約をしているのであるからなおのことである。
再度言う。具体的、事実や材料のないところでの賛否などはキャッチセールスに等しくアンフェアーであり、無意味である。

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「国鉄1047名解雇撤回! 検修業務の全面外注化阻止! 反合理化・運転保安確立!」を掲げて全国労働者総決起集会が2月13日、東京・代々木公園で開催された。全国各地から1850人の労働者・学生が結集し、朝から雨と雪がちらつく悪天候をはね飛ばし、熱気あふれる集会とデモを貫徹した。国鉄決戦を軸に、大恐慌に立ち向かう階級的労働運動の力強い隊列が登場したのだ。(次号続報) 集会の呼びかけは、動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎、動労西日本、動労千葉を支援する会の5団体。司会は、動労連帯高崎の和田山繁委員長と動労千葉を支援する会の労働者が務めた。
基調報告を行った動労千葉の田中康宏委員長はまず「動労千葉は2・1~2ストライキで第2次分割・民営化阻止闘争を宣言した。JR当局はスト後、多数の職制を幕張車両センターに張り付け戒厳状態に置いている。職場に満ち満ちている怒りと動労千葉の闘いが結合することを恐れ、それを必死で阻止する体制をとっている。もう一歩で壁は破れるということだ」と第1波ストが切り開いた大きな地平を報告した。そして、裏切りを深める4者4団体を厳しく弾劾し「国鉄分割・民営化攻撃になすすべもなく屈服した連中が、また同じ裏切りを繰り返そうとしている。今こそ、国鉄分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回の旗を高々と掲げて闘う時なのだ」と訴えた。


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